立退き交渉の依頼を受ける不動産会社

私は仕事柄、古いアパートや古いビルを買い取ることがあるのですが、大体賃借人が住んでいます。物件の自体の老朽化が激しい場合は、建物を解体し更地にして再販しますが、当然立退き交渉をしなければなりません。

物件の所有者としてや、管理している不動産会社の立場で交渉に当たるのは構いませんが、弁護士法第72条では、弁護士の資格のないものが報酬を得る目的で法律事件を取り扱う業務をおこなうことを禁止しています。

私の知っている限り、大手仲介業者を除いた不動産業者は今でも立退き交渉を行っており、自身が法律を犯していることすら分かっていないことがあります。

強引なやり方を行わなければ問題ないのではないかとの考えもありますが、札幌高裁の判決(昭和46年11月30日)では、(弁護士法にいう)「法律事件」とは、「権利義務に関し争いがあり、もしくは権利義務に関し疑義があり、または新たな権利義務関係を発生させる案件」をいうと判示しています。 立ち退き交渉とは、賃貸借関係を終了させて明渡義務を発生させる案件の交渉ということになりますから、法律事件にあたります

物件を所有されている方からすれば、自身が持っている古アパートや古ビルに人が住んでいるよりも、建物を壊して更地にすれば高く売れるため仲介業者に依頼するでしょうが、良識のある不動産仲介業者は決して受けたりはしません。

以前ならばこのような法律は一部の専門家しか知らなかったのですが、最近はインターネットの発達で誰でも法律に関しての情報を得ることができます。

中途半端に詳しくなった素人さんが出てきて、質問を受けることもよくありますので、プロとしては必要な知識の収集に日々大変です。