被災地で不動産投資が注目されている件について

復興特需の影響により、仙台を中心として不動産投資が注目されているらしい。
建設業者の流入で人口は増加し、空室率は大幅に改善。そのため、不動産投資利回りも上昇しているというのだ。
被災地の賃貸住宅の現状と不動産投資の関連性を考えていきたい。

まず、仙台のマンションの空室率についてだが、全国平均のマンション空室率が20%前後と言われている状況の中で、仙台では6%程度とのことである。空き部屋がほとんどなく、退去が発生してもすぐに埋まるとのこと。
要因は、言うまでもなく昨年の東日本大震災。被災者はもちろん、復興特需による建設業者の大量移住で仙台市の人口は震災後も増え続け、106万人を突破した。
宮城県が賃貸住宅を借り上げ被災者に貸し出す方式で、ファミリータイプの場合8万円程度で借り上げている。
そのため、家賃を引き上げている大家もおり、収益率の上昇を引き起こしている。
大手資本の投資も活発化しており、上場不動産投資信託(REIT)による東北への投資は’12年の上半期(7月末まで)だけで前年の6倍となる約114億円に達した。
人気のある仙台駅や地下鉄始発駅周辺から外れた立地でも、建設業者が一棟借り上げたりしてほぼ満室状態。投資利回りにして2、3%は向上している模様。関東在住の方から投資用物件への引き合いも多く、2015年には仙台市を東西に横断する新しい地下鉄も開業し、投資物件の動きは活発化している。
これほどの活況であれば、掘り出し物の投資物件が市場に出回らない気もするが、仙台特有の事情が売買を活発化させている。
仙台では34年前にも宮城県沖地震がありました。長く不動産オーナーをされている人のなかには『もう地震はコリゴリ』と物件を売りに出す人も多い状況である。

賃貸の市場からみると、不動産投資にとっては魅力的な地域だと思われるが、今後の状況を考えると十分な検討が必要になる。

まず、前述した空室率と家賃の関係であるが、被災者のために宮城県が借上げる期間は2年間である。そのため、現状の家賃が引き上げられており、利回りがアップしたとしても、今後家賃の値下がりは予想される。また、被災者が入居する復興住宅の完成もあるため、今の空室率を維持することは難しいとみられる。

その他、建物の状態を考えなければならない。
地震による影響は建物に多くのダメージを残しているだろう。売りに出ている物件が耐震診断を受けるなどの処置を施しているのならまだしも、瑕疵担保すら負担をせずに売却するケースがあるだけに、購入後の維持管理費の負担増も予測していなければならない。

目先の利回りに釣られ、買ったあとに様々な問題が発生しないように十分注意が必要である。